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(映画)『Like Someone in Love』(2012年 Abbas Kiarostami) [映画]

物語は単純である。しかし登場人物の背景を説明しないのと同様、物語に特に意味はないように見える。会話の内容もしかり。(老人のアパートで最初に娘と交わす会話のぎこちなさに当初は驚いたが、目的が別にある見知らぬ人同士の会話というのはこういうものかもしれないと思い直した。)
そこから浮かび上がるのは、人の関係性におけるさまざまな人格の発露。自分の好きに生きているように見える娘にも、祖母を思う特別な気持ちはあるし、彼女に暴力をふるってしまう男も、自動車整備工場の経営者、技術者としては優秀だったりする。隣のおばさんが自分が思っていることをぶちまけてしまえるのも、娘が他人だから。
その中でおじいさんだけは何事にも変わらないのは、年の功というキアロスタミの主張だろうか。彼がもっとすけべじいさんに見えたらもっと面白かった気がするが。
。部屋の中をとらえる柳下のキャメラがいい。普通だったら何事も起こらないまま終わりそうな結末に、不穏なものをぶちまけて終わったのは新鮮だった。
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