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(B)『たましいの場所』(早川義夫著 ちくま文庫) [本]

以前読んだのに、また新たな発見があった。ひとつはソロ復活アルバムは別の会社で録音が始まったという事実。もしかしたら、違う音源として将来発売される可能性があるのかと期待してしまう。
もうひつとつは、以前読んだ際には興味がなかった岡林、竹中労、深沢七郎、ニーナ・シモンといった人たちのことが書かれていたこと。
そればかりではない、著者の言葉は何度読んでも新鮮に心に響くのだ。今回特にひっかかったのが、「こだわるのは、とても大切だが、こだわっているぞということを人に見せてはいけない。それが分かれ目だ。」「歌は、悲しいから歌うのだと思っている。寂しいから、歌うのだ。人とは、違うから歌うのだ。何かが、欠けているから歌うのだ。(中略)ゆえに、歌うことが偉いわけでも、ましてや、かっこいいわけでもない。歌わざるを得ないのである。」
という部分。
そして、今回追加された「うちらラブラブ」に打ちのめされる。いくら歳をとっても少年のままである著者に嫉妬すら覚える。何歳になっても恋をしていいのだ。また新しい歌が生まれるような予感が。
とどめの七尾旅人の「オマージュエッセイ」には、何か著者が乗りうつったような歌うことへの切実さがあった。アルバム『リトルメロディ』が心を揺さぶる秘密がわかった。解説をしながら自分の事を語っているからすばらしいという著者の弁が聞こえるようだ。
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