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(V)『ブルークリスマス Blood Type : Blue』(1978年 岡本喜八) [ヴィデオ]

全編やりきれない暗さがただようのは、青い血の人間を殺戮するという行為が、ナチスのユダヤ人狩りを仮託しているからだ。
取材をして本質に迫った新聞記者は途中でパリにとばされてしまい、活躍する場面はない。極端にほとんどセリフのない主人公の二人に、魅力を感じる部分はまるでなく、男は最後に自分の仲間に銃を向けるならなぜ女を殺したのかわからない。青と赤の血を映像的に見せたかったとしか思えない。
大勢の登場人物の交錯、海外ロケという70年代の東宝大作SF映画の売り物が全く意味をなさない。
登場人物、時間、場所を字幕で見せるところは『日本のいちばん長い日』を彷彿させるものの、岡本の素材ではなく、いいところまるでなし。70年代東宝青春映画の一端を担っていた岡田裕介だけが孤軍奮闘している感じ。
ロボトミーというのも『カッコーの巣の上で』以来流行した設定の安易な使いまわし。
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