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(映画)『朝霧街道』(1961年 加藤泰) [映画]

砂浜を笠をかぶった男がこちらに向かって歩いてくる場面が開巻。股旅ものだ。
主人公は通りかかった橋の上の女を自殺者と間違える。そのあとの雨宿りの場面で出遭うことにしてもよかったのに、男女の交歓が行われる場として、加藤監督はやはり橋を舞台にする。この場面、画面が随分暗かったのは、雨が降りそうな天気だからのようだ。ここにも加藤監督の細かさがあった。
かつて惚れていて今は弟分だった男の女房になっている女性--難しい役どころのせいか北沢典子が精彩を欠く--と二人になる場面は海岸という違いが。
主人公が妹に江戸で起きた過去を語る場面では、話をしながら部屋を歩き回る主人公にキャメラもついていく。顔に影がかかるのはどこかで見た場面だと思ったら、『クリーピー』だった!
この映画はまた雨が多い。男女の交情をよりなまめかしく演出しているかのように降る「遣らずの雨」だ。
最後に主人公が悪者一家と立ち回りを演じる場面--弟分がやっと味方するのが感動的--は岡っ引きの介入により、殺すところまでいかずあっさり終わる。その代わり、そのあとの女との別れの場面に力が入る。岡っ引きの旦那の粋なこと!
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PineWood

高田浩吉と木暮実千代のコンビネーションも佳かったですね…。冒頭の橋のシーン、雨宿りする中での会話も見事でした!
by PineWood (2016-08-04 07:35) 

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