（映画）『カメラを止めるな！』（2017年 上田慎一郎）

低予算の自主映画の主題としてゾンビはおなじみ。また、一本の映画で本編と制作裏話を見せてしまうのは、大胆ではあるが破格すぎる。それをこれほど面白くみせることができたのは、上田監督が映画で描かれている世界を一歩引いたとこから描いているから。余裕を感じさせる。
開巻しばらくして、これはワンシーンワンカット映画と気づく。『アイスと雨音』のように皆の力技で見せるということだろうが、ところどころ変だと感じる場面がある。予算がないから多少の失敗は気にせず押し通したのか--レンズの汚れをカメラマンが拭く場面など--と見ていた。（あとで生放送だったからという明確な理由が判明する。）
ワンカットは話に結末がつく35分延々と続く。エンドロールが出て、映画中映画だったことがわかる。
後半は、これが作られた経緯を見せるのだが、変だと思ったところの種明かしと、普通に見ていたところでも即興だったところがあったという両方の塩梅がうまく計算されている。
撮影が完遂できたのは、監督一家--本人と妻と娘--の映画作りにかける情熱のたまもので、最後の場面を撮影する部分では、笑いと涙が一緒に。。最初の35分間、もう一度見たい。
この映画、お金をかけて、名のある俳優を使っていたら、面白味半減だったろう。脱帽。

コメント 1

『カメラを止めるな！』.....2018年12月15日にサンフランシスコの日本町の映画館で上映..

http://www.newpeopleworld.com/schedule/2018/12/15/one-cut-of-the-dead
by サンフランシスコ人 (2018-10-18 03:15)