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(映画)『拳銃無宿 脱獄のブルース』(1965年 森永健次郎) [映画]

戦災孤児だった二人がヤクザの親分に育てられ、ひとりは建設業を、もうひとりはバア経営を任されている。この二人は、ひとりの人間が昼と夜の二つに分かれたような造形となっていて、仲たがいすることなく友情は最後まで続くので、一人の人物と見たほうがよい。
もうひとつの主役は「拳銃」。主人公は有能な拳銃使いながら、正業で生きていこうと拳銃から離れることを決めている。周囲の人たちから持たされても、ことごとく海に投げ捨ててしまう。しかし、それは離れられない恋人のようで、最後には拳銃を手にして戦い、そして離れないことを決めて終わるのだ。この作品でも主人公の傍にいる松原智恵子は見向きもされず、拳銃にその座を奪われていた。。
物語は、普通であれば育ての親が殺され、正業についた二人が復讐するという流れになりそうだが、その育ての親--菅井一郎--が一番腹黒い奴だったという展開が変わっていて面白かった。
そして、渡辺宙明が本の中でも語っていたこの映画の音楽。白黒画面の粋なタイトルから冒頭のノワールな雰囲気を出すジャズ音楽。クライマックスに向かう場面ではフリージャズと作品のハードボイルド色を強めていた。
それにしても、ラジコンを使って、どのように刑務所から脱獄したのだろう。『夕陽の丘』の冒頭に出てきた不吉な感じの家の絵が、この映画でも悪い奴らが集う部屋の壁にかかっていた。
加藤登紀子がキャバレーで歌う場面があったが、シャンソン歌手として売り出していたようだ。
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