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(V)『メアリーの総て』(2017年 ハイファ・アル=マンスール) [ヴィデオ]

この作品は『少女は自転車にのって』を撮ったサウジアラビアの女性監督の第二作であったことを見た後で知った。なるほど、男の身勝手な非道い仕打ちや、主人公が書いた本を結局匿名で出版せざるを得なかった状況など、女性差別を非難する視線がある。
しかし、そのような状況にもめげず傑作をものした彼女を称賛するという話ではない。夫であるシェリーも、「彼女に絶望感を植え付けただけ」などと自己卑下していたが、彼との恋愛が主人公を成長させ、才能の開花に力を与えたことは確かだし、だまって見守る父親の存在もよかった。
何かに憑かれたように執筆する場面には、彼女だけではなく、周囲の人の力が凝縮されたものが作品に宿ったことが見て取れた。
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