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(V)『ズーム・アップ ビニール本の女』(1981年 菅野隆) [ヴィデオ]

脚本は桂千穂なれど、石井隆の名美もののような話だった。主人公の名前もナミだったし。
彼女は、ビニール本の中から出てきたような虚の女。一応、二年前に強姦された--自尊心を傷つけられたということらしい--復讐という理由はあるものの、カメラマンである男の前にモデルとして登場し、最後は自分が辱められた場所で、男を嬲り、翻弄する。(お小水を男にかけるのを執拗に見せていた。)
対照的に、実の女として、カメラマンの助手の男と付き合っている女が居る。こちらはいたって普通の男女の交わり。並行的な描写が狙いだったのだろうが、虚と実がぶつかり合うところも見たかった。
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