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(V)『歌ふ狸御殿』(1942年 木村惠吾) [ヴィデオ]

主人公のお黒--もちろんタヌキ--の父はカチカチ山のタヌキで、背中の火傷が元で死んでしまった。一方、分福茶釜のタヌキも登場するなど、タヌキが出てくる民話を導入しているも、物語はシンデレラの翻案。
叔母にこき使われているお黒が、白モクレンの精の術で美しい姫になり、狸御殿の祭りに参加する。しかし暁の鐘が鳴ったら帰らなければならない。
セリフを歌詞に盛り込んで、出演者が歌うかなり本格的なミュージカル仕様。お祭り場面では、民謡歌手などさまざまな歌い手が登場した。
御殿の内装がちょっとしょぼかったけれど、湾曲している階段をピアノの鍵盤に見立てて、踏むと音が鳴る--主人公によって「さくらさくさ」が演奏された--という工夫が楽しかった。
シンデレラなので、主人公は一緒に住む娘にいじわるされるのだが、最後は正直な彼女がめでたく狸吉郎の嫁となる。(いじわるな娘はカッパと結ばれるのだろう。。)狸吉郎を宮城千賀子が演じているのは、宝塚の舞台を映画でも見せようという意図か。
最後はみんなで踊って盛り上がるのかと思ったら、叔母にも情けをかけて、、と静かな結末だった。
この時代に日本でこんなミュージカル映画が作られていたとは驚き。
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