(映画)『レイニーデイ・イン・ニューヨーク』(2019年 ウディ・アレン) [映画]
この映画で降る雨は、突然降ってくる夕立。なので抒情的な雰囲気はない。
州北部の大学から、週末映画監督のインタヴュウのためマンハッタンに来た彼女に付いて一緒に来た青年。彼はもともと実家がマンハッタンにある金持ちの次男。彼女も裕福な家庭出身だが、こちらはアリゾナ。もうひとつ重要な違いは、彼はターナーチャンネルで米国の古い映画を見るオタク--『過去の逃れて』のヒロインに言及する場面がある--彼女の方は、ルノワール、デ・シーカ、黒澤という名をあげる一般的な映画好き。
監督インタヴュウは1時間で終わるはずが、その日一日振り回されたあげく、有名な映画スタアと情事へ発展しそうになる。しかし、この作品は主人公の青年の可哀相なところを描いて笑うのが目的ではない。マンハッタンの金持ちは、人種が違うという話だ。
かつてのアレン監督であれば、彼らを揶揄する視点があったが、もはや事実をそのまま見せる体。主人公は、一日で自分はその中でしか生きられない、田舎出身の彼女は自分には合わないと悟ってしまうのだ。
最後の場面--ヴィットリオ・ストラーロの流麗なカメラワークが見られる--を、セントラルパークの名所であるからくり時計の前にするという臆面のなさも、えいままよ、という感じ。
州北部の大学から、週末映画監督のインタヴュウのためマンハッタンに来た彼女に付いて一緒に来た青年。彼はもともと実家がマンハッタンにある金持ちの次男。彼女も裕福な家庭出身だが、こちらはアリゾナ。もうひとつ重要な違いは、彼はターナーチャンネルで米国の古い映画を見るオタク--『過去の逃れて』のヒロインに言及する場面がある--彼女の方は、ルノワール、デ・シーカ、黒澤という名をあげる一般的な映画好き。
監督インタヴュウは1時間で終わるはずが、その日一日振り回されたあげく、有名な映画スタアと情事へ発展しそうになる。しかし、この作品は主人公の青年の可哀相なところを描いて笑うのが目的ではない。マンハッタンの金持ちは、人種が違うという話だ。
かつてのアレン監督であれば、彼らを揶揄する視点があったが、もはや事実をそのまま見せる体。主人公は、一日で自分はその中でしか生きられない、田舎出身の彼女は自分には合わないと悟ってしまうのだ。
最後の場面--ヴィットリオ・ストラーロの流麗なカメラワークが見られる--を、セントラルパークの名所であるからくり時計の前にするという臆面のなさも、えいままよ、という感じ。
2020-07-10 19:40
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