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(映画)『ひとり妻 熟れた旅路の果てに』(2020年 竹洞哲也) [映画]

一か月という短さで竹洞監督の新作が見られるとは。
青森での撮影は、前作と一緒に行ったと思われるが、こちらは十和田湖畔ではなく、海沿いの町。二年前の社内旅行時の挿話と現在を交互に見せ、三人の女性それぞれの微妙な気持ちの揺らぎ--外見からは窺いしれない悩み--を丁寧に描くのは深澤脚本らしさ。
同年代という設定の三人を演じる女優がいずれも素晴らしく、その点では大満足。しかしながら、三人それぞれ脳内音声で状況を説明する手法は安易ではないか。同じ場面を違う人から見るという効果はあったけれど。おまけに主人公の夫の脳内音声まであった。三人の演技と竹洞の演出があれば、それなしでも十分描写できたのではないか。
それぞれの考え方がわかってしまうと、主人公が相対的に嫌な性格に見えてしまうのも、作者の意図するところではなかったのでは。
最後の場面、夫婦二人が砂浜を歩いていく後ろ姿がよかったけれど、大きいカバンを忘れたままなんですけど。。
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