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(映画)『女めくら物語』(1965年 島耕二) [映画]

主人公の脳内音声音が入り、一人称的に語られる形式が、主人公の周囲の世界だけを見せることになって、我々も主人公同様想像を働かせることとなる。惚れた男が約束どおりに来なかった理由も、本当のところはわからないが、説明されないことで、男の価値が損なわれずに済んだ。
船橋聖一の原作は、おそらく目の見えない按摩の主人公が、自ら境遇を受け入れて生きる道を定めるという話で、そこには境遇を打ち破ろうという視点がもともとないのだろう。故に映画も、好きな男のことを諦めてしまうという物足りなさで終わることとなった。
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