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(V)『大いなる愛の彼方に』(1960年 大野徹郎) [ヴィデオ]

恋愛映画のような題名だが、女子少年院の話。その中で特に反抗心が強い女子が主人公として話が展開するが、終盤、冒頭で赴任してきた女教官が話をさらっていく。
彼女がもろ肌脱いで、背中の刺青ならぬ鞭の痕を見せて、自分も不良だったことを告白する場面が凄い。つっぱっていた少女たちを一掃してしまう破壊力。少年院を出て真面目に働こうとしても世間から白い眼で見られて思うようにはいかないという主題を明確に打ち出していた。
しかし、この場面もそうだが、作品全体的に余韻を考慮せず、さっさと次の場面へ進んでしまう傾向があった。クライマックスも、行方不明になった主人公の行動がよくわからないまま、みんなの心がひとつになって、おまけに嫌味な上司までやさしくなるという安易なまとめ方。
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