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(V)『恋のいばら』(2023年 城定秀夫) [ヴィデオ]

この作品も最後のまとめかたが弱かった。今の彼女と元の彼女が共謀して、男の部屋へ侵入してパソコンの中を見るところまでは、とても面白かった--城定印のメガネ女子が、実は怖いストーカーと思いきや、後をつける対象が、男ではなく女だったという流れ--のだが。
女性二人からの視点で男を描いているので、結局正体がわからないまま終わってしまったのが、中途半端か。
城定監督は、白川和子を演出出来て感無量だったろう。
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(V)『花咲く部屋、昼下がりの蕾』(2019年 城定秀夫) [ヴィデオ]

たくさんの花で埋め尽くされた部屋に、出会い系サイトで知り合った男を連れ込む彼女は何者か。そばで見ている夫らしき人物は、どうやら幻らしいと見ているうちに、二人の間に起きた以前の出来事が語られていくという仕掛け。
城定映画の主人公らしく、最初はメガネをかけていた彼女が、メガネを止めるのは、不能になってしまった夫を喜ばすため、他の男に抱かれることに、彼女自身も快楽を感じるようになったから。
部屋に置かれていたのは、夫が入っている棺桶であることがわかり、そこにキレイな花が咲き乱れていることに慄然とする。
それは彼女の夫に対する愛の深さの象徴であるが、最後、もうひとつダメ押し的な展開が欲しかった。
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(V)『復活』(1950年 野渕昶) [ヴィデオ]

時代は戦争に向かう昭和十年代。「若」と呼ばれる子爵が、家に立寄った際、可愛い女中を手籠めにしてしまう。翌朝、彼女の手に百圓札を握らせて、何事もなかったかのように去っていく。この百圓札を彼女が最後まで持っているところがミソ。
子を孕まされた彼女は、次に彼が帰って来た時、大雨の中、汽車に乗っている彼に会いにいく。車内で芸者を侍らせて楽しそうにしている彼と、外でずぶぬれになっている彼女の対比が、彼女のみじめさを強調する印象的な場面。
この非道い男を小林桂樹に演じさせている意図は、兵役を終えて帰ってきた彼が、改心して、子爵の地位もも捨て、彼女のために尽力するようになるからだ。
この作品は、基督教を下敷きにしていて、肝となるのは、主人公が悩みながら、自分の進むべき道を模索するところにある。一旦は、彼のまごごろを受け入れて結婚する道を選ぶかと思われたが、最後は、伝道師たる尊敬する先生に従って、北海道行きの船に乗ってしまう。
船の上で、百圓札を破ったのは、彼の思い出とともに古い自分を捨てたということ。安易なメロドラマ的結末にならなかったところに感心した。
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(V)『戰艦大和』(1953年 阿部豊) [ヴィデオ]

日本が米国から独立した翌年にもうこれが作られたというのは、大和の物語は、日本人の琴線に触れるものなのだろう。この作品もその路線に乗って、玉砕を当然のこととして出航準備をする乗組員たち--若い兵士たちは船に乗せないという決断も--の様子を黙々と描く。部下思いの官たちが、みな自分の立場をわきまえて行動する様が胸をうつ。そして、「生き抜いた者こそ、真実次の戦争を欲しない」という反戦の主張で締めくくられていた。
戦闘場面の特撮はよく出来ていたし、船をどう大きく見せるか--甲板に多数の人が整列している画!--という工夫が随所になされていた。
應援監督の松林宗惠--應援撮影もいた--は、これが『連合艦隊』につながる戦争ものの初めだったか。
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(V)『おとぎ話みたい』(2013年 山戸結希) [ヴィデオ]

「だって、いつでも笑ってばかりの君へ」という副題付き。
女子高生である主人公の脳内音声で話が進むが、早口で語られる彼女の心理は、高校生の性急な思い詰めたような気持ちをよく表していたし、51分という短い上映時間を濃密なものにしていた。
地方の高校で、世界の文化--ダンスや哲学--を教えてくれる先生に出合い、恋するという話に、彼女がバンドの「おとぎ話」の演奏とともにライヴハウスのステージで踊っている場面が挿入される。「おとぎ話」が映画の内容にふさわしいバンドかについては少々疑問はあったが、個人的にはとても楽しめた。やっぱり曲がいいし、一体感のある元気な演奏に惹かれる。
先生は、彼女のことを生徒以上に考えたことはないと回答していたが、最後にふと見せた涙は、やはり彼女に対して特別な感情を抱いていたということなのだろう。
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(V)『団鬼六 薔薇の肉体』(1978年 藤井克彦) [ヴィデオ]

団鬼六ものかつ浦戸宏が緊縛で協力してはいるが、SMものではない。(途中、弁護士が突然女王様にいじめられたい変態ぶりを発揮するが。)ヤクザの情婦が、弟分とその彼女とともに、組から受ける嫌がらせを我慢しながら、夫の出所を待っている。借金返済のためにシロクロショウ--ホテルの部屋の魔法鏡を使って行為を見せる--までやっているのだが、組は彼女を弁護士の情婦にしようと画策するので、三人はアパートを借りて身を隠す。
話の骨はヤクザ映画で、大野武雄なる今作でしか名前を見ない脚本家も、ヤクザものが得意な作家の変名かもしれない。暑い中、アパートに身をひそめる三人の様子は、真に迫っていた。
出所した夫は会う前に殺されてしまうが、いなくなっても夫の体は忘れられないというのが結末。とはいえ、弟分も殺されて、起死回生もないまま終わるのは、すっきりしない。
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(V)『団鬼六 縄化粧』(1978年 西村昭五郎) [ヴィデオ]

今作は、緊縛師浦戸宏が脚本を書いている。よって物語は序破急の展開よりも、縛り及び犬扱いなどを見せることが主眼。
画家夫婦のところに、性生活に不満を抱いている妻が、堅物の夫を連れて、さまざまな遊戯に興じる展開は、それぞれの男女間に愛があるため、見ていて不快な気持ちにはならない。家に戻って、学んだことを復讐する二人が愛おしくなってくる。緊縛遊戯をすることで、夫婦がさらに愛を深めるというのが、浦戸が言いたかったことだろう。ついでに、真面目一辺倒の夫が出世したという後日談があったら面白かった。
最後、夫の出勤を見送る妻の脳裏に浮かぶのは、犬になって河原を散歩する自分。それにしても、シェパード犬に後ろからのしかかられるという眼を瞠るような場面がよく撮れたものだ。
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(V)『金曜日の寝室』(1978年 小沼勝) [ヴィデオ]

金曜日、会社の終業が合図されると、女子社員はトイレで下着をはき替えて、、という始まりは、現代OLものという始まりだった--大勢が働いている広い事務所風景はさすが日活と見た--が、物語は部長と肉体関係にある女子社員と、それを邪魔しようとする花屋の女の三人をめぐるもの。
戸川昌子の「金曜日の晩に」が主題歌として使われていて、本気で部長を愛している女子社員の気持ちを歌っているよう。(彼女が妻子ある部長を「あなた」と呼ぶのはちょっと違うような。。)
二人に割って入る花屋の女の狂気じみたところ、たくさんの花の上で寝る男女という画、小沼監督演出は説得力がある。
最後は、小型機動艇を使って、二人が派手に死んでしまうという破滅・心中ものといった結末。本作品は87分あって『桃尻娘』との二本立て興業だったが、彼の作品の併映とするのはふさわしくないだろう。
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(V)『原作団鬼六 黒薔薇夫人』(1978年 西村昭五郎) [ヴィデオ]

主人公がイタリアから帰国して、自宅へ帰るまもなく、監禁されてずっと責められ続けるという、息を抜くところもない内容。
そのうち、彼女の夫が行為中に心臓麻痺で死んだり、その相手となった若い女が、試し吊りの最中に頭から落ちて死んだり、周囲の人たちが次第に退場して、さらに重苦しくなる。
斯様な話の場合、責められていた彼女が、ひとり新たな道を歩み出す展開になるところだが、今作は、彼女も大仰な最期を遂げる。(首都高速から檻が落下する画はどうやって撮ったのだろう。)
何も知らず、夫の帰りを待ってひとり縛りの練習をする妻で終わるところが、脚本の桂千穂の滑稽か。
西村監督が団鬼六の緊縛ものを手がけるのは、今作が初めてのようだが、そのあと谷ナオミの引退作に指名されるだけあって、彼女の汗まみれの困った顔など、見せ所を心得ている。
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(V)『マンダレイ』(2005年 ラース・フォン・トリアー) [ヴィデオ]

物語は、『ドッグヴィル』の主人公がコロラドの自宅に戻ったのち、父親とともに別の地へ移住する途中、アラバマのマンダレイという町で、黒人労働者たちの中に身を寄せるというもの。父親がギャングで、車が昔の型という設定は、20世紀初頭かと見ていたら、1933年という時代が明示された。
前作が、小さな共同体のなかでの人々の偽善を暴くという主題で、今作は奴隷制度が無くなったのちも奴隷のように扱われている黒人問題が主題。主人公は、今作でも話に深く関与する--真面目と信じていた黒人に抱かれたあと、彼の正体を知る--が、あくまでも触媒としての役割で、彼女の心理を音声で説明するのは、見る者が不用意に感情移入するの避けるためかもしhれない。
黒人が自由を求めて外へ出てゆこうとしないのは、彼ら自身に問題があるという考えさせられる観点。
前作同様、デイヴィッド・ボウイの「ヤングアメリカン」--軽快なソウル音楽--、が最後に流れたのは、米国の問題点を掘り下げているという意識ゆえ。
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