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(B)『生涯現役』(吉本隆明 聞き手=今野哲男 洋泉社新書) [本]

タイトルから想像すると、死ぬまで物書きでやっていきますという宣言かと思うが、そんな単純なものではない。年寄りになったら、もっと自分の好きな仕事だけを悠々自適にやっていこう、などど漠然と考えていた著者が、年をとって、身体的な不自由をなんとか克服しながら、綱渡りのように仕事をつづけている現状がまずある。
その中で発見した、自然に老いるにはどうすればいいかというアドヴァイスと、日本の移り変わりの激しさ-それを西欧型の資本主義に崩れていくと表現しているが、いろいろなことをおかしいと考えながら、こんな世の中で幸福な老人などと言われたくない、と述べている。
現状、著者は自ら執筆することはかなり困難を極めるようだが、こんな形でまだまだ本をだしてもらいたい。著者の言葉はまだまだ有効だと思うから。


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