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(映画)『よこがお』(2019年 深田晃司) [映画]

主人公が美容師に接近したのは、何等かの意図があるのはわかるが理由はわからない。「仕事を辞めた」と言いながら、次の場面では仕事をしているので、時制が往還しているのかと思ったがはっきりしない。逆にそれを明確にしないところに深田監督の意図がある。
初めて時制が往還していることがはっきりしたのは、主人公が美容師と一緒に動物園を訪れる場面と、介護している家の長女と二人で動物園を訪れている場面がカットバックされるところ。
主人公の意図がはっきりせず、何かとんでもないことが起こるのではという緊張感が持続するところと、周囲の人たちも皆心の奥底に隠しているものがあるように見えるところがこの映画の魅力。たとえば、長女を中心に語ったら、もう一本別の映画ができるだろう。
主人公が美容師と寝た際、子どもの頃体験した秘密のできごとがバレたような気持と重ね合わせたように、二人が押入の中に居るという空想場面が秀逸だった。
しかしながら、深田映画独特の雰囲気には酔ったものの、この映画の事件設定には難あり。甥が誘拐した理由がわからないし、主人公がマスコミに責めらる流れはありきたり。深田監督はそろそろ事件なしで人物の横顔を描く映画に移行した方がいいのでは。
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サンフランシスコ人

深田晃司監督の『よこがお』.....10/6 & 10/8 ニューヨーク市で上映...

http://www.filmlinc.org/nyff2019/films/a-girl-missing/

U.S. Premiere · Q&As with Koji Fukada on Oct. 6 & 8
by サンフランシスコ人 (2019-09-28 01:06) 

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