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(映画)『男度胸で勝負する』(1966年 村山新治) [映画]

時代は昭和の始め。場所は特定されていないが、川越あたりでロケをしたのではないか。
前年に公開された『昭和残侠伝』の脚本家、山本英明と松本功による物語は、同工異曲。主演こそ違え、池部良が二番目の位置にいるのも似ている。この二人と、父親役の辰巳柳太郎を交えて、肉親が対決しなければならなくなるという流れ。(池部が住んでいるのは、川崎大師の近く。)
最後は、周囲の人をすべて殺された主人公が、堪忍袋の緒を切って相手の親分を殺すのだろうと見ていたら、ためらったまま止めてしまうという現実感ある終わりが面白かった。(ヤクザの家を飛び出した娘で締めくくったのも、ヤクザの虚しさを表していた。)
村山監督は、ヤクザ映画の続き物監督には組み込まれなったけれど、気持ちの動きを丁寧に見せていた。
三木稔なる音楽家を意識したことがなかったが、本作では、尺八や琴などの和楽器を複数ならして、現代音楽のような曲を付けている。これが、ヤクザの義理人情の世界で不自由を強いられる登場人物や、所詮は皆犬死にの運命にあるという厭世観を出すのに、うってつけ。
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