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(V)『殺人計画完了』(1956年 野口博志) [ヴィデオ]

男女が大阪駅から列車で、横浜へ行くところから始まる。脚本の陶山鉄は、関西から始めて、東京へ移動する設定がお気に入りなのだろうか。
二人は、車内、そして横浜からのタクシーと、移動途中で命を狙われる最初から緊張感のある流れ。いろんな手段で殺そうとするところが見どころのようで、ビルの屋上からブロックを落としたり、細工をしてガス栓をひねったり、地下鉄の駅--新橋--で突き落とそうとしたりするが、当然すべて未遂で終わる。
悪党団がいつも首領を中心に相談ばかりしていて、人数はたくさんいるが、ちょっと間が抜けた感じ。主人公が持っていたカバンの中に、彼が開発した新型ヒロポンが入っていたようだが、途中で川に捨ててしまって、小道具としての役割が中途半端だったし。
最後の撃ち合いでは、警察が踏み込んできて、残った悪者たちを一網打尽というのが普通だが、この作品は警官隊とさらに激しい撃ち合いをして、皆撃ち殺されてしまうという珍しい結末。
主人公を助けるヒロポン中毒の落とし胤には成長物語があったが、主人公には何もなく、肝心の主役の影が薄かった。
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