SSブログ

(V)『アリバイ』(1963年 牛原陽一) [ヴィデオ]

「協力 警視庁」が冒頭で強調され、「警視庁物語」シリーズのような多くの捜査員が犯人を追いつめる様子をドキュメンタリー風に描くことが狙いであることがわかる。撮影もロケが主体で、事件が起きた立川の米軍基地がある町の様子に特に目を惹かれた。しかし、犯人が非合法な商売をしている中国人であるところは、完全に日活アクションの世界から抜け出てはいない。
大人数で指紋照合をしている様子などたしかに実際の捜査の様子は出てくるが、それよりも見所は、主となる二人組の刑事のうち、宮口精二演ずる定年間近の刑事の活躍。自己主張は強くはないが、犯人捜査に全身全霊をささげ--途中で病気の妻が亡くなる--、長年の勘で、アリバイのある容疑者を追いつめていく。
熊井啓による脚本は、アリバイがあって捜査が行き詰るところまで丁度半分。後半は、捜査方針を変えて別の線から追うというなかなかうまい構成。しかしながら主人公であるはずの片割れの刑事は、私生活も描かれず活躍場面があまりないまま終わってしまった。
nice!(0)  コメント(0) 

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。