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(映画)『大地よ アイヌとして生きる』(2023年 金大偉) [映画]

宇梶静江という女性の最近の活動を記録した映画。アイヌ民族の文化や風習に関する彼女の説明を残すことを目的としたのではと思われるような文字通り記録映画的なつくり。面白いのは、その語りの中から彼女自身が見えてくるところだ。
おそらく、彼女が語るアイヌの風習は、彼女も直接経験したものではなく、大半が聴いた話が元になっているのだろう。若い頃上京してから、アイヌとは関わりのない暮らしをしていたのではないかと推察する。(彼女の履歴については映画の中では触れられていない。)しかし、大切なのは今なのだ。今の彼女は「口伝文化」であるアイヌ文化を語り残すことを自らの使命としている。(その結果、2021年には88歳にして、北海道の白老に移住してしまう。)彼女が被り物をつけて、着物を着ている姿を見て、我々はアイヌ民族のことを考えなければならない。
金大偉監督は、音楽家でもあるらしく、アイヌの歌を現代的に編曲して使用している音楽がよかった。
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