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(B)『顔面放談』(姫野カオルコ著 集英社刊) [本]

俳優の顔にまつわる随筆だが、名前を見ればことごとく顔が思い浮かぶ私のような読者を想定して書かれたような本。今どきこれはありえないだろうという嬉しい驚き。
とはいえ、私も「顔など見ていない」--「笑顔か髪が長いかくらいしか見ていない」--輩のひとりで、著者が挙げる似ている二人を見ても、なるほどと思ったのは、浅丘ルリ子と細川ふみえぐらいで、あとはよくわからない。
しかし肝要なのは、著者が役者の表情--声も含む--に注目して映画を見ているところで、作品としてはいいけれど、この役には合っていないといった評が興味深かった。著者の好きな顔ではないからか、田宮二郎に関する分析はとりわけ見事。
最終章が今村昌平の作品という隙間路線で終わるところもよかった。続編もだが、今度は映画--古い邦画--を前面に出した本を書いてほしい。
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