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(B)『ソングの哲学』(ボブ・ディラン著 佐藤良明訳 岩波書店刊) [本]

66曲を取り上げて、それぞれについて語る。形式としては、その歌を聴いて浮かび上がる情景を述べたのち、歌手や歌についての説明を付している。
中には、曲の印象だけで終わってしまうものもあれば、主題にまつわる文章だけのこともある。例えば、ジョニー・テーラーの「Cheaper to keep her」では、離婚弁護士への非難に終始したり、サンタナとイーグルスの曲では、魔女についてひたすら考察する。
選曲基準はひとり一曲というのでもなく、ジョニー・キャッシュやプレスリーなど二曲挙げている人もいる。同世代の歌手は、あえて取り上げていないように見えるし、ウッディ・ガスリーを始めとするフォーク勢の名前もない。(ピート・シーガーの「腰まで泥まみれ」が逆に意外。)
9割以上聴いたことない曲を、一曲ずつインターネットで聴きながら読み進めるのは楽しい体験。さらに岩波書店のホームページでは、訳者による各曲と付された写真についての詳細な解説がある。これも本に収録してほしかったところだが、造本も含め著者の意図するところからずれてしまうからということなのだろう。
個人的に、ディランがザ・ファッグスを評価していたことがわかって嬉しくなった。
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