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(V)『告白的女優論』(1971年 吉田喜重) [ヴィデオ]

主役の三人の女優はもちろんのこと、脇役も含めて、独立プロの作品とは思ない贅沢さ。この配役もこの映画の内容には不可欠だ。
映画の中で他人を演じるという行為が三人の女優にとって、実生活でも自分を演じるという行為になっている様子が徐々に暴かれていく面白さ。また、過去のトラウマにとらわれて幻覚を見ているのではないかといった精神分析というテーマは、現代では一般的だが、この時代でそれに正面から取り組むのはかなり進んでいただろう。
女優という職業を利用して、高級なマンション(シャワー付きのバス)や、洋館風の一戸建てを舞台にしたことも、テーマの斬新さと合致している。その住まいの中で、鏡が重要な役割を果たし、虚像と実像を意識させる。
私生活でいろいろあっても、撮影が始まればそれぞれが立派な女優である。ラストで三人が並んで歩いてくるところをフルショットで正面からとらえた画面は見ている映画とその中で作られている映画が同化してしまった瞬間だ。


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