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(CD)『Tell Tales Signs : Rare and Unreleased 1989-2006』(ボブ・ディラン) [CD]

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ブートレッグシリーズ第8弾。今回は、1989年の『Oh Mercy』から一番新しい『Modern Times』までの間の、アウトテイクや未発表曲、ライヴ演奏を集めたという年代面での新しさもさることながら、二枚組みのアルバムには、同じ曲が何曲か別アレンジで収められているというのが新機軸。これによって、レコーディングの際、いろんなヴァージョンを試していることがわかる。さすがにディスク2に入っている
「Dignity」のバンドでの性急な演奏など、セッションにすぎないといったものもあるが、冒頭の「Mississippi」のダニエル・ラノワとの生ギターヴァージョンや、「Everything Is Broken」の60年代のディランを彷彿させるようなバンドサウンドなど、オリジナルアルバムを上回る良いヴァージョンも耳につく。ディランは本当にその時の気まぐれでアルバム収録曲を決めているのかもしれない。
この二枚組アルバムは、曲の配置も練られていて、それぞれ「Mississippi」から始まったのち、収録されている曲が互いに対になっているようだ。まるで同じものを表と裏から見ているといった風に。
後ろの方にはライヴ演奏が何曲があって、それがどれもいい(「Ring Them Bells」!)が、ディスク1最後の「High Water」のロックな演奏をバックにシャウトするディランのヴォーカルに特に感動した。全く枯れていない。
個人的にはあまり趣味ではないのだが、「32-20 Blues」「Cocaine Blues」などブルース曲のカヴァーや、「Can't Escape From You」のレナード・コーエンを彷彿させる低音ヴォーカルなど、聴き所満載。ディスク2最後の「Corss The Green Mountain」は、静かに歌われる名曲で最後をしめくくるにふさわしい。
もちろん三枚組も聴きたいが、盤が一枚増えただけで、6倍以上にもなる価格設定についていけず残念。
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