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(V)『秋日和』(1960年 小津安二郎) [ヴィデオ]

大学時代の友人が三人とも、死んだもう一人の仲間の夫人を好いているという構図。三人のうち結婚している二人は、双方の夫人がともにその事実を知っていて、嫌味半分、からかい半分で夫人にやり込められる。同じような場面の反復、セリフの反復で、三人の会話を中心に物語が変な方向に。
その状況を打ち破って、物語の進行を加速させるのが、岡田演じる夫人の娘の会社での同僚。彼女は寿司屋の娘--それを知らない三人を自分の店に連れて来て、寿司を褒める場面がとても愉快だった--だが、両親とも本当の親ではなく、それを受け入れて精神的に大人であり、何でも明け透けに物をいえる現代的女性で、岡田にふさわしい役。
この時代は、友人や友人の妻などの知り合いが、会社に普通に訪ねてくるという風習があった。この映画には、日本家屋のお茶の間場面は以外に少ない。主人公の母子が住むのも二間のアパート。会社や、酒場・料亭で会ったり、会社の同僚と登山にいったり、そこでの会話場面がホームドラマと成る。
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