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(映画)『JIMI:栄光への軌跡』(2013年 ジョン・リドリー) [映画]

1966年から67年にかけての、世間の注目を集める前のジミ・ヘンドリックスを描く。この映画を見て、私はジミのことをほとんど知らなかったことに気づく。
ジミが英国のプロデューサー--なんとアニマルズのベーシストであるチャス・チャンドラーのプロデュース第一号--と契約し、ロンドンで本格的に音楽活動したのは、米国には普通のロックを黒人が演るという場がなかったためだ。(ハーレムでは受け入れてもらえないというセリフもあった。)90年代にパリを通じてアフリカ音楽が聴かれるようになったのと同様、ジミの音楽はロンドンで新しいものとして受容されたということだ。
映画でもボブ・ディランの『ブロンド・オン・ブロンド』を大切にしていたようにジミ自身音楽家の出自や形式などこだわっていなかったのだろう。(ジミのヒーローはディランとハウリンウルフ!))
ロンドンで人権運動家と出会う場面があるが、まったく興味がないという態度で、もっと広い視野で世界を見ていたことが示される。ドラッグに対してもこの時点では遊び程度。(最初のドラッグ体験場面で「ヒョウ皮のふちなし帽子」が背後に流れる!)
この手の映画では、ジミのギターが観客の度肝を抜くという場面が重要だが、それはクリームをバックに「マニッシュボーイ」を演奏する場面で現れる。
この場面、ジミのギターは文字通り火を吹いているかのようだ。ジミを演じるアウトキャストのアンドレ3000の演技は事前の期待を裏切らない。クラプトンが入る余地がないとステージを降りてしまうのだ。
何となく想像はできるが「見張り塔からずっと」のカヴァーを発明した場面を見たかった。
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