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(映画)『黒い女豹M』(1974年 蔵原惟二) [映画]

東映ポルノの池玲子が日活に出演となれば当然ロマンポルノと思い込んでいたら、『妹』と併映で公開された一般映画だった。なのであまり必然性がないところで胸が露わになる場面はあるものの官能場面はそこだけ。
殺し屋である女主人公が使命を遂行する物語といえば、途中で大怪我をして介抱してくれた男に惚れて、、という流れがつきものだが、この映画はそんな展開にはならず、主人公は徹頭徹尾颯爽としている。
物語にひねりがなかったり、主人公がわざと危険な目に遭いにいっているのではと思わせる場面も何度も切り抜けてしまい、都合のいい流れに面白くないとの見方もあるが、池の冷徹な殺し屋ぶりはそれを補って余りある。
沖縄空手だという「たらま流」なる空手アクションも迫力があったし、主人公が読唇術を心得ているのは一流のスパイ風情でカッコいい。
また、標的である成田三樹夫が演ずる悪役は、やくざの幹部というより右翼集団の長という感じで、事務所に『燃えよドラゴン』のブルース・リーのポスターを貼り、空手道場もやっていて「日本はどうあるべきか」と常に躁状態でうそぶいているところが可笑しい。主人公と戦う場面のセリフが「それでも日本人か!」というのは唖然とした。
鈴木則文が自分が発案したといっていた志穂美悦子の女空手よりこちらの方が公開が二週間ほど早く、空手ブームの中、同じことを考えていた人が居たということだ。
脇役陣も日活では見慣れない顔が多い中で、部下の一人を演じる高橋明がひとり日活印で、主人公に眼を潰された上、一緒に橋から落ちて仕留められるという、これくらいやらないと死なないという日活俳優のしぶとさがでていたようで、これまた拍手喝采。
この映画を見たいと思ってからこんなに早くお眼にかかれとは。。
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