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(映画)『平成風俗史 あの時もキミはエロかった』(2019年 竹洞哲也) [映画]

脚本の当方ボーカルは、平成の三十年間、三部屋あるアパートの二階に住む住人--夫婦、独身男、女二人--を描くために、五人の脳内音声を導入する。普通であれば、筋を追っただけで終わりとなりそうな手法だが、夫婦の話を核として、淡々と日常を描くことで最後は三十年の思いを見事に凝縮してみせた。また、当初出てくる登場人物が三十年分歳をとったところをうまく回避して、見せないですませてしまう。
竹洞作品で、性格のよい女性を何度も演じてきた友田彩也香が主人公で平成時代前半を担う。そこに『予備校生 恥じらいの個人授業』の若月まりあをぶつけて令和に向かう最近の時代は主役交代する。二人は母娘なのだが、母親は娘が十歳の時に亡くなってしまうので、写真の中の彼女に語りかけるしかない。(彼女は『予備校生』のような高校生活を送っていたとも考えられる。)
「風俗史」の部分は、主人公夫婦の隣に住む独身男が担当。テレクラとかダイヤルQ2などに挑戦するが、いい思いをすることはないダメ男。彼が駅でずっと待ちぼうけを食わされている状態を「テレクラ地蔵」と馬鹿にする同じアパートの女性二人は、何の因果かそれぞれ同じアパートの男たちと絡むことになるのだ。これもまた人生。
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