（V）『えろぼん！ オヤジとムスコの性春日記』（2018年 池島ゆたか）

大学生の息子が恋焦がれる、ネットのハダカアイドルが実は地味な同級生だったと気づく。一方、バアを経営しているやもめの父親の前に、若い頃好きだったアイドルが現れる。二人とも憧れていた人と結ばれるという幸せな話。
親子で性格が似ているというか、二人ともがつがつしたところがない。二人のあり得ない夢が叶えられるというこの話は、幻想譚であり、だからこそ悪いことは起きず、情人が現れてもあっさり警察に逮捕されて退場となる。徹頭徹尾夢のようなところが幸せな気持ちにさせる。
父親が経営しているバアは、『ムーンロードセレナーデ』で出てきた店と同じだった。東中野にあるのかと思ったら曙橋のようだ。そしてバアで流れていた浅川マキ風の詩は、佐々木麻由子が歌っているとあった。音源化されていないのだろうか。。