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(B)『コミカライズ魂』(すがやみつる著 河出新書) [本]

「コミカライズ」なる言葉は、昔からあるような気がしていたが、著者の調べによれば2000年代に入ってからというのが意外だったが、言葉を聞いて自然に思い浮かぶものがあるからそう感じたということか。すがやみつると言えば、仮面ライダーの漫画で、その名前に惹かれてこの本を読んだ。
石森章太郎の下で70年代前半に描いていたころの記述が、全体の半分以上を占め、いかに濃密な時間だったかわかる。自分だけでなく、石森章太郎や、周囲の漫画家の仕事、加えて自ら漫画家として拠って立つところまで書かれていたのが興味深かった。映画や本が血肉となり、落語も参考にしていたという勉強家ぶり。アメコミを参考にしていたというのも、当時の漫画家にはなかった要素だろう。
著者の大藪春彦の小説に対する偏愛、さらに世間でどのように受容されていたかという話は興味深かったし、日活アクション映画を英雄譚として見ていたという感受性が、仮面ライダーの漫画に接した子どもたちに響いたのではないか。
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