（V）『シン・ちむどんどん』（2023年 ダースレイダー＆プチ鹿島）

前作の最後に示唆されていた続編。今回は沖縄知事選。この選挙は『NO 選挙, NO LIFE』でも取り上げていたので、また目新しいものがないのではと危惧したのだが--当然畠山理仁に遭遇する--、現地入りした二人が、普天間基地や辺野古を回って沖縄について学ぶ体裁になっている。候補者がTVの「ちむどんどん」を実際に見ているかという話題は刺身のつま程度にすぎない。
前作では、プチ鹿島の後ろであまり出番がなかったダースレイダーが、この作品では候補者の政策に疑問を呈したり、沖縄の抱えてる問題に積極的に発言し、存在感抜群。映画の白眉は、彼が辺野古の工事車両入口の前に座り込む人と居並ぶ警備員に向けて即興でラップする場面。警備員たちの心に響かないはずがないだろう。平静を装っていたが、心中複雑だったに違いない。
自転車で走り回っている候補者の熱い思いもしっかり伝わった。
ベーソンズの音楽も絶好調で、続編の方が面白いという珍しい例。