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(映画)『大日向村』 (1940年 豊田四郎) [映画]

群馬県境にある長野県大日向村の村人が、耕地が少ないため、半分くらい満州に移住すれば、行く人も残る人にも利益になるということで、村をあげて移住計画を立て、最終的に出発する場面で映画が終わるが、明るい希望が描かれているようには見えない。時代を考えると、満州に移住して開拓することを奨励する目的で作られたのではと思われるが。実際の満州の農業の様子--その広々とした土地や、大掛かりな機械式農業--には目を瞠るが。
村に流れる川に沿って道があるが、先遣隊を見送る高いところから見下ろす画面は、傘の花が咲き、壮観である一方、同じ構図で撮られた最後の見送りは、それ以上人がでているのに、葬式のように見えてしまう。そこに流れる大日向満州開拓団の歌が、妙に浮いて聞こえるのだ。その後、満州に移住した人が苦労をした末に、一部が残留孤児となったことを知っているからそう見えるのではない。
村人個々の描写というより、村人が一体となっている印象の映画。残れば耕地を多く分けてもらえるという甘言を弄する輩もでてくるが、村の総意を乱すような方向には行かない。一途さで統率された映画。
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