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(V)『日本橋』(1956年 市川崑) [ヴィデオ]

大がかりな江戸時代の日本橋界隈のセット、カラー作品(市川にとっても初カラーのようだ。)で大作の趣き。それにあわせた演出をしたのか、キャメラを据えた長回しで芝居をじっくり見せる。画面つなぎは市川らしくないが、冒頭、幽霊譚かと思わせる場面があるように、セットに鳴り響く音がわざとエコーをかけたような音響になっていて、二人の人物が話す場面が多いことも含めて、幻想世界を少し意識したか。
主人公が狂ってきて、扇子を投げ上げ、それを下に居るライヴァルが拾う場面も、輪郭のはっきりした幻想とみれば面白い。映画全体がこの世のものではないような感じもあった。
色彩にもこだわったのだろう、提灯の赤や着物の色が印象に残る。
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