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(映画)『婚期』(1961年 吉村公三郎) [映画]

女三人、男二人の兄弟姉妹。デザイナーの長女は家を出ていて、長男夫婦が家を切り盛りしている。同居している次女29歳、三女25歳の関心事は、自分たちの結婚と、兄嫁いびり。「財産目当てで何もしない」と、自分たちのことを棚にあげて、事あるごとに文句を言う二人。一方、兄嫁は家事はそれなりにこなしていて、とぼけた感じ--裾から下着がでていたり、いびきをかいて居眠りをしたり--だが、実は心の中ではいろいろ計算していることがだんだんわかってくる。そこに絡む、お手伝いの婆や--北林谷栄--の愚痴がまたケッサク。これら女性のやりとりを、水木洋子が徹底的に描写したという感じ。
澁谷監督あたりが撮ると、毒の強い滅茶苦茶な喜劇になりそうだが、宮川一夫の陰影ある画面--夜の家の中--を得て、ふと女性たちの個々の悩みを映し出される瞬間があった。それぞれが足元の幸せをかみしめるというハッピイエンド。
吉村監督は珍しく、三人が画面に入る場面を二度ほど、真上から撮るというショットを入れている。これはどちらの味方でもないという神の視点を強調しているのだろう。
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