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(V)『生きてるだけで、愛。』(2018年 関根光才) [ヴィデオ]

今の社会を描くのが映画なので、主人公がうつの女性というのも当然あってしかるべき設定。男は、彼女と合コンで知り合い、彼女に惹かれて、自分のアパートに住まわせる。それだけで彼女にとっては神さまのような存在なのに、彼に感情をぶつけて困らせる。その彼も、仕事がうまくいかず鬱憤をため続けることになり、彼女を受け止める余裕がなくなってくる。
男がため続けていたものを全部投げ出す場面は、まるで彼女の感情が暴発したようで見事だった。それぞれ自分のことで精いっぱいだった二人が、相手の気持ちを少し考えるという締めくくりは、それ以上やるとお涙頂戴になってしまうギリギリのところで踏みとどまった。
彼女が夜の街を走る場面は、閉塞的な話の中にあって見所どころとなるが、カットが短かったり、変にスローモーションを入れるなどあまりうまくなかった。
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