(V)『「テント劇場」より 盗まれた欲情』(1958年 今村昌平) [ヴィデオ]
今村は処女作から、多くの人々が生きている様を描くことを指向していたことがわかる。打算が渦巻く旅回り興業の世界だが、見ていてすがすがしい気分になるのは、生きることに必死になっている憎めない性格の人ばかりだからだ。
それにしても、この村の人を含めた画面に映る人の多さはどうだ。これだけの人を登場させることのできたのは映画隆盛の時代のためだけではなく、旅回り劇団が村中から歓迎されていたという事実もあるだろう。
その人々が集う村を離れるトラックを見送る人、追いかける人の活力溢れたラストシーンは躍動感にあふれていて素晴らしい。
2007-02-28 07:31
nice!(0)
コメント(0)
トラックバック(0)
コメント 0