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(V)『穴』 (1957年 市川崑) [ヴィデオ]

ひねった探偵物かと見ていたら、正統的探偵物だった。犯人に仕立てられてしまった主人公の女性ジャーナリストが、鋭い推理と観察と行動力で、銀行強盗事件を解決する。原作ものではなく、脚本の市川と和田はクリスティと名乗るだけあって、洒落たミステリーで感心した。
洒落ている部分は、女性探偵だけでなく、犯罪を犯す銀行の支店長・副支店長が罪悪感などまるでなく、ゲームを楽しんでいるかのように犯罪を犯しているところや、警察の戯画化された無能ぶり。賞金50万円を出すから、一ヶ月間で女性ジャーナリストを捜せという企画に乗って、雑誌を売る怪しい編集長。警察を辞めさせられた男が探偵事務所を始めるが、押入れに閉じ込められて全く役に立たないところなど。石原慎太郎にヘタな歌を歌わせる場面は余分だが。
最後にはこれらの人たちが、事件が解決した場に集って、勝手なことを主張し合うエンディングは、一同が会した場で謎解きをやる探偵もののパロディと見た。
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