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(V)『娘の季節』(1968年 樋口弘美) [ヴィデオ]

バスの車掌をしている女性たちを描いているのだが、話の基本は暗い。
工場を馘首され、家賃も払えない主人公の兄。彼女たちが住む寮の管理人をしている車掌の先輩は、事故で左腕がない。世の中はワンマンカーに切り替わろうとしているところで、彼女たちの雇用もこの先どうなるかわからない。
バス会社の労働組合がワンマンカー導入に反対しようと意見をまとめる場面があるが、導入を前提に自分たちの権利を主張したほうがよいといった対立見解を出して、組合も変革期にあることを示唆する。(組合旅行でよみうりランドへ行く場面はあるけれど)
主人公の兄は破滅型で、骨肉腫で余命短いバアの女主人と自殺してしまう挿話まであれど、暗い印象はなく、主人公を始めとする彼女たちの未来を祝福するような映画。実際のバスやバス会社の車庫でのロケをうまく使っていた。
主人公が最後に、結婚に同意してくれた運転手の背中に、無言で飛びついていく気持ちは痛いほどわかる。飛びつくところはロングで見せ、アップでは二人に照り付ける太陽を画面に入れる大胆さが印象的。
五千円婆さんに一矢報いるのも楽しかった。
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