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(映画)『火だるま槐多よ』(2023年 佐藤寿保) [映画]

現代の若者たち--村山槐多に執着する男女と劇団員四人--を描くことで、槐多について語る野心作。佐藤寿保監督の過激さは「火だるま」よろしく火を噴いている。
この作品は、最近の佐藤映画に見られる日常の中の幻想というより、登場人物が世の中を幻想に変えてしまっている感じ。それは、槐多の世界とも言える。
えんじゅ(槐)の木の森にあるアガルタなる地底世界、槐多の自画像ではないかとする「尿する裸僧」、そして小説「悪魔の舌」から導き出された棘だらけの舌が繰り返し登場し、槐多を今の世に召喚する。
(特殊な超能力も駆使して。)
映画全体が、槐多が残した作品から迸る熱量の高さを示しているかのよう。
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