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(V)『彩り河』(1984年 三村晴彦) [ヴィデオ]

悪役である相互銀行社長の造形がなかなかのもの。
ある企業に不正融資するのに、変装して秘書のように見せかけたり、その会社社長の女が実は彼の愛人で、都合が悪いとみるや殺してしまったり。裏では政治家と太い関係を築き、相互銀行の協会長として融資枠上限を撤廃させようと動く。
彼の悪事がどのように明るみに出るかという話かと見ていたら、彼に私怨を持つ若者の復讐譚だったとは。。
その若者が当初何か目的を持って動いているようには見えなかったし、真ん中あたりから登場するヒロインも居るだけで重要な役割を果たすことがない。最後も証拠が残らない形で復讐するのかと思いきや、ただ怒りにまかせて刺しまくる--側近二人も死んでしまったのだろうか--のは芸がない。そもそも80年代半ばにして、こんな絵空事のような話は時代遅れだったろう。
低い位置など普通とは違う場所にカメラを据えて芝居を見せる画は、三村監督が加藤泰の薫陶を多大に受けている証左。
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