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(V)『西部の人』(1958年 アンソニー・マン) [ヴィデオ]

馬でやって来て、一週間程度の約束で馬を預け汽車に乗る主人公が、何者なのかよくわからない。強盗に襲われた汽車でも活躍場面はなく、強いかどうかもわからない。
取り残されてしまった彼と、詐欺師のような男と、仕事を辞めてどこかへ流れていこうとする女の三人が、荒野の中歩き始める。主人公が連れて行った家には、偶然強盗団が居た。実は偶然ではなく、主人公は昔強盗団の一員だったので、そこに休める家があることを知っていたのだった。
この作品、主人公が何を考えているのかわからず、どうやって逃げ出すかといったサスペンスが生じない。彼がずっと流れに任せて行動しているうち、結果的に強盗団を全滅させることになったという印象。(詐欺師が身代わりに撃たれてしまう挿話も何の感興も呼ばない。)
彼の成長物語ではないし、一緒にいた女が初めて男に惚れたと告白しているのに、彼にはそれに応える気持ちがなく、恋愛映画にもならない。
銀行があるはずだった町が幽霊街になっていたように、もはや西部に楽しいことは待っていないという趣旨か。
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