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(V)『星のない男』(1955年 キング・ヴィダー) [ヴィデオ]

題名は、指導者を持たない自らの気の向くまま行動する男の意味と解釈した。主人公は、カンザスからワイオミングに貨車に無賃乗車してやってきた男。優秀な牧童だったようだが、鉄線を張って領地を囲うという仕儀が放牧に合わないと、新天地に移動してきたようだ。やって来た先の農場でも牧童としての能力を発揮し、やはり潮時と見るやさらに北へ去っていくという話。
西部劇になるのだろうが、銃撃戦があるわけではなく--主人公が若者に拳銃さばきを教える場面はある--、見どころは牛の大群をうまく誘導するところで、話も単純。しかしながら、笑いを取り入れた我が道を行く主人公を演じるカーク・ダグラス--バンジョーの名手でもある--がぴったりはまっていて、彼が指導する若者の成長物語として楽しく見られる。
女主人にも未練を残さずさわやかに去っていく彼はまさに風来坊。
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