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(V)『シマロン』(1960年 アンソニー・マン) [ヴィデオ]

19世紀末の米国オクラホマ開拓を背景とした話。主人公は実在の人物かしらと思ったら、小説の映画化だった。
主人公が新妻を連れて、オクラホマにやって来るところから始まる。早い者勝ちで土地が自分のものにできるという競争に参加するのだ。よーいドンで馬車を走らせる場面が凄い。主人公は気が変わって、途中で馬車に轢かれて死んでしまった人の遺志を継いで新聞社を始めることになるのだが、彼は使命感のようなものがあって、仕事をほおって新しい開拓地へ出かけて行ったり、戦争に参加したり、妻子はそっちのけ。家庭が一番という米国人像は最近作られたものなのか、それとも主人公だけ特別なのか。
オクラホマなので、石油を掘り当てる人が出てきて、主人公は先住民にも利権を与えるべく奔走するという場面もあるけれど、先住民差別に対する糾弾というところまで深刻にはならない。
ひとりの英雄物語を見たというより、彼はこの時代の米国の精神を具現化するような存在だったという印象。
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