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(映画)『彼方のうた』(2023年 杉田協士) [映画]

主人公は若い女性で、少し年上の女性と男性にそれぞれ偶然を装って近づく。彼女が一方的に二人を以前から知っていたようだが、それぞれと親しくなることで悩みを解決してあげると同時に、彼女の中にあった蟠りもほどけてゆくという話。と理解したが、悩みとか蟠りに関して一切説明がない。
映画の中で出遭った人々は会話をするのだが、それらはほとんど挨拶に終始し、物語を説明したり推進したりする会話は一切登場しない。背景を彩る音楽もない。他の作品を見ていないが、見る者の思考に多くを委ねるというやり方が杉田監督の特質のようだ。
上田市でロケしている場面は、録音されたテープにあった川の音がどこかつきとめるために、以前テープの持ち主--母親か?--の縁ある場所を訪ねたということのようだが、古い映画館や焼きそばといった地方の観光振興に安易に乗っているだけのように見えてしまった。(食べ物--オムレツなど--が作品の重要が要素のひとつであることはわかったが。)
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