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(映画)『ボディ・アンド・ソウル』(1947年 ロバート・ロッセン) [映画]

才能ある若者が拳闘で王者となったのち、金で身を持ち崩していく様を描く。
拳闘を始めるまでが結構長いのは、母親が反対していたためで、主人公と母親の関係は物語の大きな要素。もうひとつは、途中から彼を食い物にしようとする興行師。金儲け第一主義の冷血漢ぶりが、主人公を金の亡者の世界へ引きずり込む。
彼を救う役割を果たすべき婚約者が、状況によって性格が変わるのが首尾一貫していなかったけれど、クライマックスの試合、劣勢から挽回する場面の熱の入り方や、試合が終わったのち、主人公が彼女を探す場面は『ロッキー』に影響を与えたのでは。
拳闘を始めてから王者になるまでは、練習場面と新聞見出しをカットバックするあっという間の処理で、それまでの遅いテンポが嘘のようにそこから新しい展開となる流れは見事。
試合場面は、外から両者を捉える位置にカメラを置き、それぞれの接写を入れていない分、ドキュメンタリー的で本物らしく見えた。
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