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(V)『渇水』(2023年 高橋正弥) [ヴィデオ]

前橋が舞台。夏、雨が降らず、取水制限が出ている中で、水道料金を滞納している人たちに、停水執行をして回る水道局員が主人公。
家族とうまくいかず、妻が子どもを連れて実家に帰ってしまった主人公の「公」の部分が、母親が家を出てしまった幼い姉妹と触れ合うことで、どう影響を受けて「私」の部分を回復するかという話。
姉妹の部分は、貧困が主題となっていて、姉がやむにやまれず万引きをしてしまうところには、胸を締め付けられた。
主人公が突如「テロ」に走るところは、極端ではあったが、それまでの鬱屈した流れを断ち切るかのようなクライマックスは、このくらいやってもいいだろう。
匂いで男を嗅ぎ分ける、ある種人生の達人のような母親が、姿を消したまま出てこないのは、多少違和感あり。
電気ギターを使った音楽は、大友良英かと思ったら、何と向井秀徳だった。最後には、ギターを多重録音して伴奏とする「渇水」なる主題歌まで、聴かせてくれた。
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