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(V)『の・ようなもの のようなもの』(2016年 杉山泰一) [ヴィデオ]

『の・ようなもの』の35年後の話。冒頭、長椅子でじゃれ合っている男女に主人公が割り込んでいく『の・ようなもの』と同じ始まり。
物語は、師匠が亡くなって落語家を廃業した志んととを13回忌記念高座に引っ張り出すというもので、前作は落語自体には焦点を当てていなかったが、こちらは中心主題に据えており、落語映画と言ってよい。
志しんととと志んでんの二人の落語を交互に見せるクライマックス--田の字に書き足して魚とするのが秀逸--が感動的だった以上に、谷中のアパートに暮らす志んととが、近所の老人たちの生活を助け、主人公が修業よろしくそれをせっせと手伝う姿が、町の風景--ヒマラヤ杉!--とともに、落語の世界がまだ健在であることを見せてくれて、心に沁みた。
音楽の付け方にもう少し節度を持つべきと見ていたら、映画が終わるか終わらないうちに、80年代風の歌が流れて来て、何だろうと思ったら尾藤イサオの歌だった。
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