SSブログ

(V)『奇跡の海』(1996年 ラース・フォン・トリアー) [ヴィデオ]

舞台はデンマークかと思ったら、英国で、油田に出稼ぎにいく人たちが多い厳格なキリスト教の村が舞台。
神への信仰、主人公の極憑りつかれたような行動、章仕立て--7章+終章--となっているところ、各章の始めに流れる古いロック音楽--コーエンの「スザンヌ」があった--手持ちカメラ撮影など、フォン・トリアー印は、90年代半ばには出来上がっていたことがわかる。
極端で思い込みの激しい主人公も、男が彼女を愛しているが故に、ひとりよがりの暴走とは見えない。
危篤だった男の方でなく、彼女があまりにあっさりと死んでしまったので、最後は生き返って来ても驚かない心構えでいたところ、やさしい奇跡でまとめせみせた。これはフォン・トリアー監督の本意か、はたまた周囲への遠慮であろうか。
背後に流れる音楽は、サンサーンスの白鳥を鍵盤ハーモニカで演奏したような演奏のみ。
nice!(0)  コメント(0)