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(V)『警視庁物語 108号車』(1959年 村山新治、若林榮二郎) [ヴィデオ]

盗んだトランジスタラジオをトラックで運んでいる窃盗犯が、たまたまパトカー--108号車--に誰何され、警官を撃ち殺してしまうところから、警視庁捜査一課の出番となる。
トラックの番号を手掛かりに犯人に迫っていくという単純な話なので、捜査を進める刑事たちの様子が、いつに増して丁寧に描かれている。
トラックを買った男の顔を運転免許事務所に保存されている写真から探そうとしたり、交通事故の記録を一枚ずつ確認して、該当する車がないか調べたり。また、その間刑事たちが食べるそばやかつ丼などの食事も描かれたり、主任が殉職刑事の葬儀に行くために皆が香典を拠出するところまで、芸が細かい。
最後の捕り物は、有楽町にあるビルの地下三階まである駐車場。地下一階から三階まで、刑事がひとりずつ張り込んで、犯人が来るのをじっと待つ緊張感。かなりじらされたあと犯人が現れると、電撃のように逮捕するという緩急が見事だった。
殉職警官が合祀されているという彌生廟なる場所を初めて知ったが、今でも弥生慰霊堂として武道館の近くにあるそうなので、機会があったら訪れてみたい。
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