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(V)『あゝ予科練』(1968年 村山新治) [ヴィデオ]

海軍の飛行機隊を主役として、最後は戦艦大和の出撃で締める流れは、先日見た『太平洋の翼』と似ていると思ったら、脚本が同じ須崎勝弥だった。こちらは同じ飛行隊でも、土浦の航空隊で学んだ予科練習生たちが、成長して特攻隊となって出撃する様を描く。
彼らの上官が、人間的にも実利的な考え方も立派で、部下の危機に際しては、自ら操縦桿を握って助けに行く行動も『太平洋の翼』と同じ。けれども予科練時代に上官が指導している場面が、なぜか全然ない。
「7つボタン」にあこがれて入隊した若者たちが、厳しい訓練を経て飛行機乗りになり、出撃していくまでの様子が淡々と描かれていて、彼らが自らの使命を脇目もふらず全うしていく様は胸を打つ。
感傷的な部分は、家族や女性に仮託して、鹿児島の鹿屋基地からの出撃に際しては、女性二人がわざわざやってきて見送る形式にしていた。
西郷輝彦が主題歌を歌う歌謡映画的側面もあるが、この時代に出した「若鷲の歌」のレコードは売れたのだろうか。
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